男性更年期障害において、主に体にあわられる症状には、ほてりや発汗、頭痛、まめい、耳鳴りなどがあります。
血圧の変化もその1つであり、男性更年期障害の場合、血圧が高くなるケースがよくみられます。
それは男性更年期障害の原因がテストステロン(男性ホルモン)の減少にあり、それによって体に様々な変化を及ぼすからです。
具体的にはテストステロンの減少によって体脂肪が増加すること、自律神経のバランスが崩れることが血圧に変化をもたらします。
今回は男性更年期障害における血圧の変化について、ご紹介していきたいと思います。
男性更年期障害が血圧に及ぼす影響
男性更年期障害の原因はテストステロンと呼ばれる男性ホルモンの減少にあります。
テストステロンは男性の性器や生殖器の発達などに大きく関わりがある、まさに「男性を男性らしく作り上げる」ホルモンです。
そのテストステロンの分泌は思春期から急激に増え、その後20歳あたりから徐々に減少していきます。
テストステロンには男性特有な機能を高める他にも、筋肉を増やす働きや、骨格を発達させる働き、さらに自律神経にも作用する働きがあります。
そのためテストステロンが減少すると筋肉量や骨量が減少し、体脂肪が増加する傾向にあります。
またテストステロンの減少によって自律神経のバランスが崩れることもわかっています。
これら2つの要因によって、男性更年期障害では血圧が高くなりやすいようです。
テストステロンの減少による体脂肪の増加と血圧の関係
テストステロンが減少すると、筋肉量や骨量が減る一方で体脂肪が増加することがわかっています。
特に内臓脂肪の増加は糖尿病や高血圧、高脂血症を引き起こします。
これがいわゆる「メタボリックシンドローム」と呼ばれる状態です。
男性の中年期以降は、これまでの生活習慣の乱れにテストステロンの減少が加わることで、メタボリックシンドロームになるリスクが急激に高まります。
男性更年期障害による血圧の上昇は、このメタボリックシンドロームが要因の1つのようです。
テストステロンの減少による自律神経の乱れと血圧の関係
自律神経は交感神経と副交感神経の2つあり、この2つの神経のバランスによって私たちの生命は維持されます。
この自律神経とテストステロンには密接な関係があり、テストステロンの減少はこの自律神経のバランスを崩すことがわかっています。
血圧もこの自律神経によって支配されているため、テストステロンの減少は間接的に血圧にも変化をもたらします。
血圧だけでは気づきにくい男性の更年期障害
更年期障害は女性のみならず男性にもおこるもので、どちらもホルモンの減少が原因と言われています。
しかし女性の場合は閉経前後で急激に変化するため、発症の時期や症状もわかりやすいようです。
一方、男性の場合はテストステロンは緩やかに減少するため、発症の時期も症状のあわられ方も個人差が大きいです。
またその症状も「年のせいかな?」と安易に加齢のせいにされるものが多いため、それが更年期障害によるものだとはなかなか気づきにくいのが現状です。
「年をとれば血圧も上がりやすい」というのは一理あります。
ただその他にも以下に挙げるような症状が見られる場合、更年期障害の可能性もありますので、専門医院で相談してみるとよいでしょう。
男性更年期障害の症状
●身体的症状・・・ほてり・発汗・耳鳴り・頭痛・めまい・耳鳴りなど
●精神神経症状・・・無気力・疲労感・倦怠感・イライラ・不眠など
●性機能関連症状・・・性欲の低下・勃起不全・頻尿など
まとめ
男性更年期障害の場合、血圧が高くなる場合があります。
それはテストステロンの減少によって体脂肪が増加すること、また自律神経のバランスが崩れることにあるようです。
しかし血圧が上がったからと言って、必ずしも更年期障害と断定することはできません。
男性更年期障害には様々な症状がありますので、もし他の症状も気になるようでしたら専門医院で相談してみましょう。