男性更年期障害は早い人で40代ごろから症状があらわれます。

その主な原因はテストステロン(男性ホルモン)の減少にあるため、治療においてもテストステロンの補充療法を行うことがあります。

しかしテストステロン補充療法にはすべての更年期障害に適応されるというわけではありまん。

そのため男性更年期障害の場合、抗うつ剤や抗不安薬、ED治療薬などを組み合わせた治療が行われます。

漢方薬による治療もそのうちの1つであり、八味地黄丸(はちみじおうがん)や補中益気湯(ほちゅうえっきとう)などの漢方薬が男性更年期障害では用いられることが多いようです。

今回は男性更年期障害に用いられる漢方薬についてご紹介したいと思います。

男性更年期障害における漢方療法の役割

西洋医学で用いられる薬は、それぞれの原因部位にピンポイントに作用するため症状の改善は早い一方、原因が特定できない症状には対応できません。

例えば、頭痛なら頭痛、めまいならめまいとそれぞれの症状をすばやく取り除くことができても、すべての症状を一気に治すことは難しいのです。

一方の漢方薬は西洋医学の薬のように劇的に効くということはなく、効果があわられるのに時間もかかります。

しかし漢方薬には人間が本来持っている自然治癒の力を高める効果があるため、原因のはっきりしない症状などを体全体から健康へと導いてくれます

男性更年期障害の場合、その症状も

  • 体のほてり・発汗・めまいなどの身体的症状
  • 無気力・倦怠感・イライラ・不眠などの精神神経症状
  • 性欲の低下・勃起不全・頻尿などの性機能関連症状

など多岐にわたるため、それぞれの症状に薬で対応するには限界があります。

そのため、男性更年期障害においては漢方療法は有効な治療法の1つと位置づけられているのです。

男性更年期障害で用いられる代表的な漢方薬

それでは男性更年期障害でよく用いられる漢方薬を以下にご紹介しましょう。

※漢方薬には基本的に副作用は少ないと言われていますが、だからといってやたらむやみに飲むものではありません。

服用に際しては症状を確認したうえで、漢方の専門家や漢方外来などで相談しましょう。

八味地黄丸(はちみじおうがん)

八味地黄丸は男性更年期障害でもっとも多く用いられる漢方薬です。

八味地黄丸は泌尿生殖器の働きを高める効果があり、疲労や虚弱、老化によるEDや前立腺肥大、頻尿などに良いと言われています。

補中益気湯(ほちゅうえっきとう)

補中益気湯は男性のみならず女性の更年期障害にも用いられる漢方薬です。

補中益気湯は主に胃腸の働きを高め食欲を増進し、疲労感や倦怠感、心身の虚弱などを改善する効果が期待できます。

六味丸(ろくみがん)

六味丸は泌尿生殖器の働きを高め、弱った体を元気にする作用があります。

体のほてりや、頻尿、むくみなどの改善には効果がありますが、逆に冷えや胃腸虚弱の人には向かない漢方薬です。

柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)

柴胡加竜骨牡蛎湯は主に精神症状に作用し、神経の高ぶりを鎮める効果があります。

イライラやヒステリー、動悸や不眠などの改善に効果が期待できます。

桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)

桂枝加竜骨牡蛎湯も神経の高ぶりを鎮め、精神状態を正常化する作用があります。

不安やノイローゼ、不眠や神経衰弱を改善する効果が期待できます。

まとめ

男性更年期障害の治療にはテストステロンの補充療法が有効なのですが、その効果や副作用を考え、適応できる人に基準が設けられています。

また症状が多岐にわたるため、それぞれの症状に対応できる画期的な薬も現在はありません。

このため男性更年期障害の治療においては漢方療法も有効な手段として用いられる治療の1つです。

気になる方は一度専門医院や漢方医に相談すると良いでしょう。